mの実海域試験に成功
・細径ケーブル無人潜水機「UROV500(げんたつ500)」完成
1993年・「なつしま」の音響システム改修
1994年・青森県との地域共同研究で雑海藻除去システム完成
・「みらい」の建造開始
1995年・10,000m級無人探査機「かいこう」完成、総合海上試験において、世界最深部マリアナ海溝10,911.4mの潜航に成功
・海洋観測ブイシステムの開発に着手
・「かいれい」の建造開始
1996年・「ドルフィン3K」用ケーブル捻れ監視システム完成
4. 主な技術開発の内容
深海開発技術部で取り扱っている技術開発の規模は、経常研究からプロジェクト研究まで大心様々ですが、分野としては、深海調査関連機器、海洋観測関連機器、水中音響技術、無人潜水機に大別できます。以下に、当部で近年実施された、または現在進められている技術開発のいくつかを紹介いたします。
4.1 深海調査関連
(1)深海掘削船システムの開発
深海掘削船システムは、海底下深部まで掘削し、その掘削孔から堆積岩等の試料を採取するとともに、孔内で各種の物理・化学計測等を行うためのシステムです。それによって得られるデータに基づき、地殻構造や地震発生メカニズムの解明、及び地球環境変動の研究等が行われます。これにより地球科学に関する研究が促進され、統一的地球像の確立が進められていきます。深海掘削船システムは、その中で、非常に重要な役割を担うこととなります。現在、計画されている深海掘削船システムの概念図を図−1に示します。ここでの開発の目玉はライザーパイプを用いて、石油産業界でもまだ達成し得ない、水深4,000mの海底での掘削を実現することであり、2003年にまず中間段階である水深2,500m海底での掘削を目標として研究を進めています。
(2)「かいれい」の建造
地球表面の最深部である海溝域の本格的な総合調査研究を行うために、深海調査研究船「かいれい」の建造が1995年度補正子算で認められました。「かいれい」は、無人探査機「かいこう」の専用母船として海溝域の海底調査を本格的に行うための十分な能力を持ち、併せて、最深部の11,000mまでの海底地形を瞬時に水深の2倍以上の幅で計測できるマルチナロービーム音響測深装置を装備するとともに、マルチチャンネル反射法探査システムの搭載により深海域のプレートの深部構造を詳細に調査することができます。このほか、深海底の堆積物や岩石などの試料採取のため、12,000m長のワイヤ・ウインチとピストンコアサンプラー、ドレッジ、グラブなどの機材を装備しています。「がいれい」の当センターへの引き渡しは1997年3月を予定しています。「かいれい」の完成予想図を図−2に示します。
4.2 海洋観測関連
(1)海洋観測ブイシステムの開発
地球環境変動に対処するため、全地球規模での海洋観測の必要性が世界的に認識されており、政府間海洋学委員会において、世界海洋観測システム計画が検討されています。わが国としては、極域及び周辺海域を含む太平洋(世界海洋の1/2、地球表面の1/3)の海洋観測を積極的に行い、世界に貢献する必要があります。この広
図−1 深海掘削船システムの概念図
前ページ 目次へ 次ページ
|
|